多重仮定拡大率に基づく扇形領域輝度相関による並進·回転·拡大の推定－並進·回転·拡大推定の統合性能

摘要

高度の並列処理環境が容易に利用可能な時代が迫ってきている．これまでの各種画像処理方式は，高速化を目指して各種の提案が行われてきた．並列処理環境では，計算資源を潤沢に投入して，柔軟かつ高精度の推定を行うことも許容される．本論文では，同一位置に対して複数の拡大率を仮定して扇形動き推定ブロックを用いて多重に動き推定を行い，さらに動き推定ブロックとは別に運動推定ブロックを定義し，代表点が運動推定ブロックに含まれる動き推定ブロックの推定動きベクトルの対を無作為に選択し，選択した推定動きベクトル対をその動きベクトル対から得られる拡大率と仮定拡大率をもとに取捨選択することにより，信頼できる動きベクトル対集合を決定する．決定された信頼可能動きベクトル対集合から，運動推定ブロックの並進·回転·拡大を求めることで，広範囲の拡大率変動（10倍まで）を含む画像間において，画像から直接推定可能なすべての動きである並進·回転·拡大を高精度に推定する方式を提案し，拡大，回転に対応する対応点検出方式であるSIFTとの対照実験によりその能力を検証する．