超多重RFIDシステム設計のためのミックストシグナル·シミュレーション手法

摘要

超多重RFIDシステムは，数千個のトランスポンダと単一リーダ間の通信をTS-CDMAに基づくアンチコリジョン技術によって多重化することで同時識別性能を向上したRFID技術である．本稿では，超多重RFIDシステム設計のためのミックストシグナル·シミュレーション手法として統合マルチレベル·シミュレーション環境を提案する．この統合シミュレーション環境は，RFIDのデジタルバックエンドおよびアナログフロントエンドを同時にシミュレーションすることが可能であり，Verilog-AMSとカスタムソフトウェアによって構成されている．アナログフロントエンドとデジタルバックエンドのシミュレーションモデルを統合することで，電磁結合や，伝送時の変復調，ノイズなどのアナログ要因を考慮したシミュレーション技法を確立した．これにより，より現実に近い形で超多重RFIDシステムの動作検証や性能評価を行うことが可能であることを示す．