「海外展開中小企業実態調査」にみる海外展開の実態と海外進出時の留意点

摘要

我が国の中小企業の海外展開は円高を契機に80年代から本格化し、その流れは今や規模の比較的小さい部品加工メーカーにまで及んできている。 中小企業施策としても各種の政府系団体が海外展開支援を行っており、経済産業省（旧通商産業省）の中小企業施策実施団体である中小企業総合事業団でも、進出企業に対するアドバイス制度の運営や各種国際化情報の提供を実施している。 それら情報提供の一環として、全国の中小企業に対するアンケート調査とインタビュー調査を行い、海外展開の実態を探る報告書を作成、配布している。昨年はアンケート調査で2,136社から回答を得、インタビューでは海外撤退企業を含む30社から話を伺った。 ここではアンケート調査結果をざっと紹介した後、撤退などの海外進出事例から進出の留意点についても触れてみたい。