固体NMRを用いた不定形耐火物の化学構造解析と水の存在状態

摘要

転炉やRHにおいて使用されている不定形耐火物は、溶銑やスラグの成分による溶損が問題の一つとなっており、成分系を近づけることで溶損を抑えることができる。 しかしながら、従来の耐火物の構造評価は状態図による推定が主であり、耐火物自身の化学構造を解析した例はほとんどないのが現状である。 そこで今回、アルミナ系耐火物の主成分であるAlの化学構造解析を実施するために、~（27）AI MQMAS NMR法を適用した。 その結果、核四極子相互作用の平均化することが可能となり、詳細な化学構造を捉えることができたので報告する。さらに、耐火物中の水の存在状態を明らかにするために~1H CRAMPS法を用い、~1H-~1Hの強い双極子相互作用を平均化した結果、耐火物中の水の存在状態を明らかにできたので報告する。