老朽コークス炉における限界押出力

摘要

コークス炉の老朽化に伴って増加する炭化室炉壁破孔トラブルの防止は、コークス炉の安定操業および炉寿命延長にとって重要な課題である。 しかしながら、炉壁破孔の原因は必ずしも明確ではなかった。 筆者らは、コークス押出時に炉壁に作用する居部的荷重の定量的評価を行ない、このような局部的荷重が炉壁破孔の原因となりうることを明らかにした。本報告では、離散要素法を用いたシミュレーションにより、局部的荷重を受けた炉壁レンガの挙動を解析した結果ならびに、押出時の局所荷重発生挙動から予測される炉壁破孔防止のための限界押出力について述べる。