高窒素ステンレス鋼の溶接性

摘要

高村ステンレス鋼の溶接諸特性向上を目指し、溶接金属でのブローホール発生と熱影響部でのCr_2N析出挙動および溶接継手部の耐孔食性、機械的特性に関して検討した。 （1）高Cr-Mo鋼を溶接材料として用い、希釈率を制御することでブローホール発生が抑制できる。 （2）溶接金属の耐孔食性は合金元素偏析により最もCr，Moの欠乏する部分で決定され、FA凝固モードの溶接金属が比較的高い耐孔食性を示した。 （3）18Cr-14Ni-2.52。 5Mo－0。 7N綱および23Cr－4Ni-2Mo－1N鋼では溶接熱影響によりオーステナイト粒界にCr2Nが析出し、23Cr－2Mo－0.7N鋼ではオーステナイト／フェライト境界でフェライト＋Cr_2Nが成長、析出した。 （4）高Cr-Mo鋼を溶接材料として用いたCO_2レーザー溶接継手は母材に近い孔食温度を示すとともに引張強度がGTAW継手に比べて改善される傾向にある。