チタンの変色に及ぼす酸性雨の影響（大気環境中におけるチタンの変色機構および防止策の開発－1）

摘要

チタンは、塩化物に対する優れた耐食性を活かし、海浜環境の屋根材として使用されている。 しかしながら、使用環境によっては、チタン表面の酸化膜が成長し、干渉作用によって着色する場合がある。このような酸イ出莫の増加はたかだか数十nmから100nmの厚みであり、何らチタンの防食機能を損なうものではないが、外観上、意匠性を損なう場合がある。チタンが建材用途へ適用されたのが比較的最近であることから、変色の発生機構に関する研究は必ずしも、十分に行われているとは言えない。 本研究セは、チタンの変色に及ぼす各種環境因子の影響を検討したところ、酸性雨によってチタンの変色が促進されることが判明したので、報告する。