読んでみたいこの一冊/『オバサンの経済学』

摘要

『オバサンの経済学』の著者中島隆信氏は、統計データを用いた生産性研究の分野で学術的に高い評価を得ている経済学者である。 本書でも、扱う題材はオバサンという「非経済学的」な事象でありながら、データを用いた客観的な分析や行動経済学の援用など「経済学的」な手法を用いており、そのギャップに本書の面白さがある。本書の目的は「なぜ女性がオバサン化することを決断するのかを明らかにしたうえで、それが女性の自由な選択に基づくものなのか、あるいは何らかの社会の歪みを反映したものなのかを解明すること」にある。 本書は次のように構成される。