遺伝的アルゴリズムを用いた空調制気口の最適配置に関する研究

摘要

近年では、空調設備の設計段階で数倍流体力学（Computer FIuid Dynamics：CFD）に基づく解析手法を使用することが一般化している。但し、その使い方の多くは空調設計者が立案した設計の中の部分的な不具合を解決する為といったものが多く、基本計画そのものは設計者の経験や一般論に頼る所が大きいのが現状であろう。その為、設計者の経験に基づき不適切と判断された案は検討されることすら少ない。しかし、それらの中に優れているものが存在する可能性は十分にある。特にこの様な傾向は経験や一般論が成立しにくい特殊な形状の室において、より顕著に表れると考えられる。そこで本研究室ではCFD解析と遺伝的アルゴリズム（Genetic AIgorithm：GA）を連動させた設計支援ツールの開発と検証を行ってきた。そして、いくつかの条件の下で、本ツールは高確率で安定した解を得ることが可能であり、設計支援ツールとしての有用性を示すことに成功した。本稿では設計支援ツールの発展経緯と、その有用性に関して行った検証結果について報告する。