…が無くなる日

摘要

「…が無くなる日」という不思議なタイトルの本であるが、この...の部分に、水、電気、名刺、の文字を組み入れれば、3つのタイトルの内容も見えてくる。 本書は上記3タイトルのオムニバス式の小説で、電気新聞に連載されたものをまとめて出版したものである。 著者は日本経済新聞社の論説主幹等の経歴を持つ作家で、「2025年日本の死」「脱税同盟」「田中角栄」「東大法学部」 などの著書がある。著者の言によれば、"もし（IF）何かが無くなったら、何が起きるのか、このIFに仕事、年金、家庭、携帯電話、友人、というようなタイトルを入れて、皆さんもちょっと試してみたら、知的でスリリングなゲームができますよ"、と、「はじめに」で述べている。 一方、"ときに作家が頭の中で作り出した世界が実際に起きてしまうことがある。 未来は小説の真似をする。 すなわち現実が小説を模擬することがある。 IF小説は未来を予測しているようで、実は現実を描いてもいる"と述べている。