地球の気候変動史

摘要

地質学的尺度での地球の歴史は、過去の環境や気候についての有用な情報を提供してきた。現在の気候変動によって危惧される問題は、自然の変異幅内のことか、人間活垂加こよって引き起こされたものかについての評価が、国際的な共同研究の緊急課題になっている。 地球の気候変動は、多様な時間尺度で出現してきた；突発的な火山噴火（数分から数日）から始まって、地球の公転軌道パラメータ変化（10~4～10~5年）を経て、プレート構造運動（10~6～10~8年）まで幅が広い。長期の気候変動（惑星進化速度レベル以下）は、氷期の原因となるもので、基本的には大陸プレートの分布と移動によって決定され、その衷笹氷期·間氷瓢の周期的変動があって、その間の気候には太陽日射量変化が大きく影響している。 次いで、当初の地球の還元的大気組成と二酸化炭素濃度の変動を歴史的に考察した。 地球の生物進化史を大きく5つに区分し、それらの進化区分を、現在の地球化学的データから説明した。 その進化史は、生物の生息環境への対応の歴史でもある。 とくに、生物源二酸化炭素とカルシウムの収支が、環境変遷において基本的な役割を担ってきた。 　 本文発表の機会を与えて下さった、30年来の畏友中江茂会長に感謝いたします。