担持銅触媒によるベンゼンからフェノールへの気相接触酸化反応

摘要

CuをHZSM-5に担持したCuH-ZSM-5触媒を用いてベンゼンを酸素により酸化することによりフェノールが生成することを見出した．CuH-ZSM-5の活性は焼成温度に強く依存し，約1123Kでの焼成により最も高いフェノール収率・選択率が得られた．CuH-ZSM-5のESRシグナル強度の焼成温度依存性もこれと良く似た傾向を示し，本反応の活性種がZSM-5中の孤立したCuイオンである事を示唆された．ESR，CO吸着IRにより反応条件においてCuH-ZSM-5中のCu~(2+)はCu~+に遠元されていることがわかり，この反応はCu~(2+)/Cu~＋のRedoxにより進行していると考えられる．