層状ハイドロタルサイトの高機能化-基本層の架橋水酸基のアニオン交換

摘要

近年，層状無機化合物のイオン交換特性を利用した触媒の精密設計が広く行われている．中でも，吸着剤やイオン交換体，制酸剤として利用されている層状複合水酸化物，Hydrotalcite（HT），［Mg_(1-X)~(2＋)Al_x~(3+)（OH）_2］［A~(n-)］_(x·mH_2O（A：層間内アニオン，0.17＜x＜0.33），はそれ自体が固体塩基触株として有用であり，幅広く研究されでいる．これまでのHTを用いた触妹設計は，i）基本層のMg/Al比に依存した塩基性強度の制御，ii）層間内への触媒活性種のインターカレーション，iii）200～600℃で焼成することで生成する複合酸牝物の酸·塩基特性の制御，iv）錯体種や金属ナノ粒子の安定担持，と大きく分類できるであろう．このような手法に加え，基本層を形成する金属種を別の金属種へとカチオン交換する設計も以前より頻繁に行われてきたが，基本層の架橋水酸基の交換に着日した研究例はほとんどをい．本稿では，HT基本屑中の架橋水酸基を電気陰性度の大きなフッ素で部分置換することで，塩基性強度のより大きな層状HTを合成した例を紹介する．