シングルサイト光触媒含有メソポーラスシリカ薄膜の開発による超親水性界面の創製

摘要

シングルサイト光触媒活性点として種々の遷移金属酸化物種を孤立高分散な状態でメソポーラスシリカ薄膜に含有させた透明な薄膜材料が，優れた親水性を示すことを見出した．親水性の発現には孤立分散した遷移金属酸化物および細孔構造の存在が重要な役割を果たしていた．これら薄膜の光触媒作用を利用することで，焼成過程を経ない構造規定剤の除去手法の開発および疎水性表面の構築への応用を検討した．前者では，紫外光照射下で構造規定剤が効率良く分解され，細孔構造の形成とともに高親水性の発現が認められた．後者では，薄膜表面でポリエチレンを合成することにより，親水性表面を疎水性へと改質することに成功した．