水素化脱硫反応に対するリン化ニッケルの触媒特性

摘要

近年，環境問題への関心の高まりから，燃料中の硫黄分の規制が急速に強化されている．これに対して，2005年には硫黄分の規制値が10ppmになるのよりも早く，硫黄分10ppmのガソリンおよび軽油が市販されている．しかしながら，環境保護の観点から，今後も燃料中の硫黄分の親制はさらに厳しくなると容易に推測される．したがって，高活性な水素化脱硫（HDS）触媒の開発が求められている．高活性HDS触媒に関する研究としては，Co-Mo-S（Ni-Mo-S）相が活性点になると考えられている硫化処理を施したCoMo/Al_2O_3（またはNiMo/Al_2O_3）触媒の高活性化異なる活性相を有する新親のHDS触媒の開発などが行われている．そこで本稿では，新規のHDS触媒として，CoMo/Al_2O_3またはNiMo/Al_2O_3触媒よりも高い活性を示すと報告されているリン化ニッケル触媒に関する研究を紹介する．