超臨界二酸化炭素中で機能する固体強塩基触媒の開発とそのTishchenko反応への適用

摘要

硫酸イオン（SO_4~（2-），1.30wt％）を骨格内部に有する，規則性メソ細孔（直径：3.4nm）を持つアルミナ，mesoAl_2O_3/SO_4~(2－)が酸性媒体である超臨界二酸化炭素（scCO_2）中で芳香族1，2-ジアルデヒドの分子内Tishchenko反応に対し，強塩基触媒作用を示すことを見出した。 赤外分光法による吸着ピロールの観測から，この触媒の塩基点（O~（2-））の平均強度は従来のγ-Al_2O_3と比べてかなり弱いことが確認されたが，表面にはscCO_2中でも機能する強塩基点が点在する。 共溶媒として少量のTHFを添加すると反応は著しく加速されたが，CH_3CO_2HやCH_3OHといったプロトン性溶媒の添加は反応速度を激減させた。