窒素ドープ型薄片状酸化チタンの低温合成と可視光照射下での光触媒能

摘要

イソステアリン酸を配位させたチタンイソプロポキシドを出発物質とし，塩触媒の存在下疎水溶媒中でゾルーゲル反応を行うことによって，層間にイソステアレートが配位した層状チタニア/イソステアレートナノコンポジットからなるゾルを得た。 このゾルをアンモニア水で処理し，空気中所定の温度で焼成することによって，窒素がドープされた薄片状の酸化チタンを合成した。 450℃で焼成した試料は黄色で，可視光域に強い吸収を示し，青色LEDによる可視光照射下で高い光触媒能を示した。 焼成雰囲気を窒素とした場合，窒素ドープ畳が増大し可視光域の吸収もより強くなったが，可視光照射下での光触媒能は逆に低下した。