放射光利用流通反応条件下in-situ XAFS測定

摘要

XAFS（X線吸収微細構造）による構造解析は,固体触媒上のナノメートルサイズの高分散した金属粒子の構造解析に適した手法である。 しかも,遷移金属等の吸収を見る場合,通常軽原子からなる反応物による吸収はほとんど無視することが出来る。 したがって,原理的には高圧条件下でも，活性金属サイトの構造に関する情報を抽出することが可能な手法である。そこで，我々は,高圧反応条件下で使用可能なXAFSセルを考案し,実際に流通式高圧反応条件下での測定を行った。 セルの構造をFig.1に示す（K.K.Bando, et al., J.Synchrotron Rad.，8, 581（2001））。 Fig.1のような窓付きセルのデザインで一番重要で難しいのは窓の材質の選択，構造であろう。 まず,材質であるが,X線の透過性をよくするためには薄く軽い素材が良く,反応ガス等の高い内圧に耐えるためには硬い素材でなくてはならず,この相矛盾する条件を満たさなくてはならない。