私の女子大通信

摘要

名古屋大学を停年退官したのち，名古屋市内の丘陵地に立地する私立の女子大「椙山女学園大学」に勤めて6年目になる。 着任早々，化学実験に素足のサンダル履きできた女子学生が天秤室でムカデに足の指を噛まれるという事件に遭遇して以来，奮戦の連続で今日に至っている。 私は生活科学部生活環境デザイン学科の専任教員として，化学基礎,洗浄,染色，高分子，環境科学の講義と化学実験2科目に加え，大学院の持論と演習を担当している。 生活環境デザイン学科はアパレル,インテリア，建築住居の3分野に関わる教育と研究を目的としているから，材料に関する学習の基礎として化学は欠かせないわけだが，入学してくる学生の多くは高校で化学IBを履修してきているにもかかわらず，化学にはほとんど興味を持っていないというのが現状である。 このような学生たちに，どのように教えれば化学の大切さと面白さを分かってもらえるか，この6年間，試行錯誤を重ねている。