新しいGreen Chemistryゼオライト触媒

摘要

結晶性ゼオライト固体酸触媒は,従来の塩化アルミニウムや液体酸触媒を代替し，いくつかのノ化学合成プロセスのグリーン化を実現した。 骨格Alを他の原子,特に遷移金属イオンで同型置換したメタロシリケートは，通常の金属酸化物では見られない触媒特性を持つ。 代表的なメタロシリケートであるMFI型チタノシリケート，TS－1触媒は,クリーンな酸化剤である過酸化水素を用いた種々の化合物の液相選択酸化に高い触媒性能を示し,既に工業化されたフェノール水酸化プロセスとこれから実用化されるシクロヘキサノンのオキシム化プロセスに応用されている。今後チタノシリケートの修飾改良や新規構造を有するものの開発にともない,環境にやさしい化学プロセスが新たに出現するであろう。 ここでは,Ti以外の元素を含むメタロシリケート触媒を用いたグリーンなプロセスの開発について，最近の研究を紹介する。