硫黄存在下でのナフタレン水素化反応におけるチタニア担持パラジウム触媒の担体効果

摘要

Pd/TiO_2，Pd/Al_2O_3触媒を用い硫黄化合物（ジメチルジスルフィド）存在下でのナフタレン水素化反応を行なった．Pd/TiO_2触媒はPd/A_2O_3触媒より高い耐硫黄性，表面露出Pd当たりの水素化活性（TOF）を示した．また，吸着硫黄の昇温還元反応（H_2S-TPR），CO吸着量測定，及びフーリエ変換赤外スペクトルにより，硫化処理したPd/TiO_2触媒中の【Pd-S】結合は，Pd/Al_2O_3触媒のそれと比較し弱いことを明らかにした．さらに，Pd/TiO_2触媒の還元温度が，【Pd-S】結合強度に与える影響について検討し，低温還元の触媒がより低温度で硫黄が脱離することからTi~(4＋)の高い電気陰性度が，Pdの電子密度を減少させ，Pd-S結合を弱めると考察した．