鉄道信号システムにおけるリモートモニタリングの現状

摘要

保全性を検討する場合，現実の故障や事故に至る前にいかにして劣化傾向やインシデントを把握するかが，重要な意味を持つ。 リモートモニタリングは広域に分散化されたシステムの保全性向上に有力の手段として用いられる。鉄道信号システムは，沿線に多くの機器が配置されている。 しかも，その障害が直接列車運行に影響を与えるため，今日のネットワーク技術が確立する前からモニタリングシステムが導入されてきた。本原稿では，通信技術の貧弱な当時から今日に至るまで，鉄道信号用のモニタリングシステムがどのように変遷してきたかをサーベイし，今後のあるべき姿について検討する。