安全衛生ちょつと間きたい話：こんな'落とし穴'も

摘要

「十万円をケチって惨事。浮かばれぬ十一人」-。 昭和44年に起きた大阪の尻無川水門工事の事故原因が明らかになった際、ある新聞は怒りをこめて、こんな見出しをつけました。 工事は潜函工法で行われていました。 川底の潜函内で作業する人の安全には、気密性の確保がまさに命です。 ところが、潜函への作業員の出入りや掘削した土砂搬出のためのシャフトの連結に、強度検査も受けていないJIS規格外のボルトを使用していました。 このため、強度不足からシャフトが途中で破損、圧縮空気が一気に漏れて潜函が水没した事故でした。