バイオメカニクスと生体機能計測技術(2)：ホプキンソン棒法による関節軟骨の衝撃特性評価

摘要

本研究では衝撃荷重下における関節軟骨の応力－ひずみ特性を測定するため，応力伝達棒として機械的インピーダンスの低いアクリルを使用したホプキンソン棒法衝撃試験機め適用を試みた．アクリルは粘弾性体であり応力波の伝播に伴って減衰と分散が生じるのでこれらを補正した．ウシ大腿骨遠位部関節軟骨に同試験機を適用した結果，出力棒において透過応力が明瞭に測定できた．得られた応力－ひずみ線図からヤング率を求めると60MPa程度であり文献的に報告されている準静的値より高かった．また，関節軟骨に含まれる水分量（含水率）の増加に伴い，ヤング率は低下する傾向があった．