アコースティックエミッション：2.光ファイバセンサを用いた単発放電に伴い発生する圧力波の検知

摘要

加工精度を上げるために，放電に伴い発生する圧力波の計測が求められている。 そこで基礎研究として，電磁ノイズに強いとされる光ファイバセンサを用い単発放電に伴い発生する圧力波を測定した。 その結果，光ファイバセンサはPZT素子と比較して放電発生時に生じる電磁ノイズの影響を受けにくいことが判った。 さらに光ファイバセンサ信号とFEMを用いた解析結果を比較することにより，光ファイバセンサは放電現象など高速現象の解明に有効であり，圧力波の伝播に伴う加工物の変形挙動を調査できる可能性が示された。工業製品を小型化するために，微細加工技術の発展が求められている。 現在，特定の場所に電荷を流し熱および力を発生させ微細加工を行う放電加工が幅広く用いられている。熱および力が調整できれば溶融部の塑性変形領域を制御でき，加工精度の向上が可能になる。 そのため放電に伴い発生する熱および力の発生メカニズムの解明が求められている。 熱および力により加工物を伝播する弾性波が発生する。 そこで本研究では放電に伴い発生する熱および力の発生メカニズム解明のための基礎研究として，光ファイバセンサを用いて単発放電に伴い発生する弾性波の伝播特性を調査した。さらに有限要素法を用いた解析結果と実験結果を比較することにより放電に伴い発生する弾性波の発生要因の推定を行った。