高齢者、若年者における塗装木材の視覚と視触覚による官能評価の相違－カバ、マホガニー、チーク柾目材について－

摘要

無塗装および2種の塗装仕上げを行ったカバ、マホガニー、チーク柾目材について、若年者および高齢者を被験者とした視覚のみおよび視触覚による官能試験、試験体の光学および物理的性質の測定を行った。視覚に触覚が加わることにより温冷感は若年者、高齢者とも評価が大きく変わり、粗滑感は一部の仕上げで評価が変わった。視触覚による濫冷感には若年者、高齢者とも触覚（熟流）が大きく関係し、粗滑感には両者とも視覚（光沢）と触覚（表面粗さ）が大きく関係した。視触覚による"心地よさ"は、若年者では視覚のみと比べ評価はあまり変わらず、温冷感、粗滑感とも寄与せず、高齢者では評価がやや変わり、粗滑感が大きく寄与した。視覚による“内装に使いたい”は若年者と高齢者で違いがあり、視触覚では両者とも視覚のみとやや異なる評価となり、若年者では光学的性質（彩度、光沢）が、高齢者では光学（彩度）および物理的性質（表面粗さ）が寄与した。