塗料の変色防止、劣化メカニズムと耐候性試験

摘要

昨今の環境問題から、鉛、カドミウムなどの有害物質の規制や溶剤系塗料から水性塗料への変遷が、ますます進みつつある。 原材料から塗料が製造され、塗装を経て塗膜にいたるまでの各工程で、安全性や資源循環型志向が重要視されている。 塗料は、対象物に塗布されて乾燥硬化し塗膜を形成することで、初めて機能を発現する材料である。 塗装された塗膜になった段階から、塗膜は周辺環境にさらされ、種々の外的因子（光、水、酸素、熱、汚染物質など）の影響を受け、劣化していく。 塗料／塗膜の基本的な機能は、次の3つが挙げられるが、これらが失われることが塗膜劣化であり、いわゆる「寿命」である。