介護者 zarit介護負担尺度日本語版(J-ZBI)および短縮版(J-ZBI_8)

摘要

要介護高齢者,特に痴呆高齢者を介護する家族介護者の負担が注目されるようになったのは1980年代末以降である.この背景としては,人口の高齢化と,それに伴う要介護高齢者,なかでも痴呆高齢者の増加があげられる.特に,痴呆患者は,中核症状である認知機能障害だけでなく随伴症状である問題行動(behavioral and psychological symptoms of dementia: BPSD)を呈する場合が多いため,身体障害をもつ要介護高齢者とは異なった介護が必要である.こうしたことから,痴呆患者の在宅介護は,多大な負担を生じ,家族介護者はhidden patients(潜在的な患者)になり得ることがFenglerらにより指摘されてきた.