有機無機ナノハイブリッド体によるハードコートの多機能設計とその評価及び最新動向

摘要

ハードコートは、材料的な観点から言うと、機能性コーティング材料の一つということができ、また材料の調製法という観点からはメッキや瑞球と同じく表面改質の一方法であり、その意味では本誌の対象である塗装と同じ技術的範疇に属するものと考えられる。表面改質は、基材の表面処理を施すだけでその性能を飛躍的に向上せしめることができるので材料特性の改善上極めて重要である。一般的にハードコートは、基材をプラスチックスとしており、その軽量性、加工性等を損なうことなく表面の硬度を大きくすることにより損傷を受けにくいものにしようとするものである。最近ではプラスチックス材料の使用にあたっては、ハードコートは前提であり、それ以外に幾つの機能を付加できるかが商品価値を左右していると言っても過言ではない。