電動フルトレーラのためのユニバーサル制御技術の開発

摘要

輸送効率を向上させるために，現状の法規制の中で最大である車両総重量（GVW）44トンが可能となるフルトラクタとフルトレーラの組み合わせ（以下，「フルトレーラシステム」という）に着目した．さらに，CO_2削減のために，既存のディーゼル大型トラック（以下，「単車」という）に新開発の電動式フルトレーラを連結することにより，全体としてハイブリッド車とするコンセプトを考案した．Fig.1に示すように，登坂や加速時にはフルトラクタはエンジン，フルトレーラはモータで駆動される．降坂時や減速時は，フルトラクタの慣性質量分もフルトレーラのモータで吸収し，エネルギを蓄積することとなる．すなわち，電動化したフルトレーラを連結するのみで，連結車両全体がハイブリッドシステムになり，降坂時や減速時のエネルギを回生し，再利用することで燃料消費率の削減が可能である．そこで，このコンセプトを実証するために試作車を開発し，燃料消費率削減効果の評価を行った．