高齢運転者の類型化と不安全行動に関する研究

摘要

本研究は，実車運転特性と台上試験特性から，高齢運転者を特徴別に分類するとともに，高齢運転者の事故が多い出会い頭状況における運転特性との対応について把握することを目的とした．はじめに，高齢運転者について，実車運転·台上試験特性からはどのような特徴群に類型化することができるのか検討を行った．次に，各類型がどのような不安全行動を行うのか，高齢運転者の事故割合が高い出会い頭場面の，一時停止規制のある無信号交差点に非優先側から進入し通過する場合（以下，「一時停止交差点通過場面」という）に注目し検討した．なお，本報告の実験参加者は，第一種普通自動車免許を保有する男性の高齢運転者30名（平均70歳，標準偏差3.3歳）であり，実験前に，目的と内容について説明し，インフォームドコンセントを得た．