全車速ACC使用時の運転行動特性と習熟度に関する研究

摘要

全車速ACCでは従来のACCよりも低速での追従走行を可能とするため，高速道路のみならず，一般道でも使用され得る点を想定しておかなければならない．その場合，赤信号や交差点での一時停止はもちろんのこと，現在のセンサでは検出困難な停止車両に遭遇する割合も，自動車専用道路に比べて格段に多くなることが予想される．そのため，システムに慣れてきたドライバが，赤信号や停止車両への接近時に減速操作（ブレーキオーバーライド）を怠ったり，あるいは極端な遅れが生じるなど，運転行動の変化の有無について検証しておく必要がある．本研究では，全車速ACC使用時におけるドライバの習熟過程や当該懸念の有無を明らかにすることを目的に，2月にわたる実車走行実験を実施し，システムへの習熟度合いによる運転行動の差異について解析を行った．