VOC削減に貢献するわが社の粉体塗料用樹脂·粉体塗料·塗装システム：神東塗料の粉体塗料について

摘要

世界の粉体塗料市場動向をみると、生産量は右肩上がりに推移している。 背景として欧米での環境規制強化、アジア諸国の産業発展などが牽引している。とりわけ中国は2002年に年間生産高が10万tを超え、以降も年間10％を超える成長率である。 これに対して日本の粉体塗料市場は、アジア諸国と比較すると緩やかながらも成長してきたといえる。 工業塗装の分野では溶剤系が主流であるわが国も、粉体塗装のメリットが認識されてきた。 有機溶剤を使用しないこと、回収使用により産業廃棄物が削減できること、粘度調整が不要であり塗装に熟練を要しないこと、塗膜性能が良好であることが挙げられる。さらに2004年の改正大気汚染防止法成立によってVOC削減の法規制がはじまったことで、日本の粉体塗料市場に追い風が吹いている。 神東塗料は1986年に粉体塗料の製造を本格稼動させて以来、毎年生産量が増加している。 全部門の方針として環境配慮型塗料の開発、販売活動を積極的に行ってきた結果である。 本稿では神東塗料の粉体塗料と今後の開発について紹介する。