RoHS，ELV指令に対応する金属焼付塗料について

摘要

環境保全に関しては世界中で意識が高まり，エネルギーや資源を循環させる循環型社会，またそれを持続させる社会形成に向け環境に配慮した様々な取り組みがなされている。 近年，ダイオキシン，環境ホルモン，シックハウス症候群，PRTR等の問題が提起され，化学物質による人への健康や環境への悪影響が懸念され，化学物質への管理と規制が進行する中，塗料業界を取り巻く情勢の変化としても製品の開発から製造，流通，消費に至るまで環境の保全，人への安全·健康の確保に配慮する動きが顕在化している。 そのような状況の中で，地球環境問題で一歩先行くEU（欧州連合）において，特定有害物質の使用を制限する規制（RoHS指令·ELV指令）が可決され，RoHS指令は2006年7月より，ELV指令は2007年7月以降の通関車に対し施行され，欧州市場で販売される製品に規制対象物質が使用出来なくなる。 生産素材として，あらゆる産業で多岐にわたり使用されている塗料においても同様である。 弊社では環境に配慮した塗料の開発を促進すると共に，電気·電子機器分野，自動車部品分野について環境負荷物質に対する調査·分析，不使用証明書等の提出依頼に対応している。そこで本報では，工業用塗料分野における金属焼付塗料のRoHS指令·ELV指令に対する取り組みと環境配慮形塗料について紹介する。