走行振動荷重による応力履歴と塩害作用を受けたRC床版の耐荷力の低下に関する研究

摘要

本研究は、凍結防止剤散布による塩害作用を受けたRC床版の耐荷力低下率に関する実験研究である。塩害の作用方法は走行振動荷重により応力履歴させた供試体に、1年10ヶ月間の塩化カルシウム散布とし、暴露試験を実施した。その結果、EPMAによる面分析の結果では、供試体の鉄筋腐食発生は塩化物イオンの限界値を1.2kg/m~3とした場合、浸透深さは30mm程度であった。また、供試体のコア抜きによる鉄筋の劣化診断では、圧縮鉄筋は加速期前期であるが引張鉄筋は部分的に加速期後期に相当していた。さらに、走行振動荷重実験による最大耐荷力を比較すると通常のRC床版に比して塩害作用を受けたRC床版では約10％耐荷力が低下する結果を得た。