吸放湿性備長炭塗料チャコールペイントと吸放湿性麦飯石塗料ヴァージンペイント

摘要

現在，建築技術の向上によって，気密性の高い住宅が増えている。 そのため建材や塗料中に防腐剤などとして含まれるホルムアルデヒド，アセトアルデヒド，アンモニア，メルカプタンなどの揮発性化学物質が，シックハウス症候群をはじめ，人の健康に悪影響を与える場合のあることが知られており，化学物質が微粒子となって人が生活する空間に漂う事態を防止または抑制する必要がある。 揮発した化学物質の空気中から除去できる塗料の例として，透湿性のポリアミド樹脂塗料に備長炭などの木炭粉末を1～50％程度配合した塗料が示されており，このものは塗膜に通気性を有して木炭粉末にホルムアルデヒドなどのガスを吸着させることができる。しかし，上記したように，従来の塗料は，塗膜の気孔を水蒸気や有機ガスが透過する際に，透過抵抗（水蒸気の場合は透湿抵抗）が大きく，そのために充分な吸着性を発揮することができないという問題がある。 また，充分な吸着性を発揮させるためには，塗料中にできるだけ多量の木炭粉末を配合すればよいが，そのようにすると，塗料中に木炭粉末を均一分散させて経時的に安定させておくことが困難となり，また木炭粉末に対して相対的に塗膜の成分が少なくなり，塗料としての所要の高伸度性が損なわれてしまうという問題がある。