温間成形による自動車エンジン用焼結スプロケット：温間成形による世界初の焼結エンジン主要部品

摘要

粉末冶金製品は寸法精度が高く、機械加工工程を省略できることから、自動車部品に広く採用されている。しかしながら一般的には粉末成形を室温で行うため、密度向上に限界があり、応用の拡大を阻んでいた。 1994年に粉末冶金国際会議で、ヘガネス社から特殊なバインダーを含む鉄粉と金型を130℃程度に加熱して成形することにより、高密度を得られる手法が公表され、その後農機具、電動工具部品に適用された。 しかし自動車部品への適用はわずかであり、トランスミッション系の部品に限られ、要求特性の厳しいエンジン部品の例は見当たらなかった。 そこで基本的な温間成形の装置を基に、種々の改良を加え、温度管理を厳格に行うことにより、自動車エンジンのスプロケットに温間成形を適用することを目標とした。