表面修飾炭素材料の作製と固体高分子形燃料電池および水素－空気二次電池用材料としての適用

摘要

炭素材料は水溶液中で酸化に弱く，安定領域は極めて限られるため，耐久性を考慮すると使用環境の制限が必要となる。一方，炭素材料は金属元素に比べ資源量が豊富で安価，軽量，導電性も良好であることから大きな魅力がある。そして現時点で，多くの炭素材料がすでに多くの電池に用いられている。本稿では，今後の実用化が期待される電池として，固体高分子形燃料電池と水素－空気二次電池における炭素材料の利用について概説する。特に，筆者らが進めてきた炭素材料の欠点を補う表面修飾技術に関する研究成果を紹介していく。また，それら空気を用いる電池用ガス拡散電極材料としての持続可能性を追求し，竹を繊維化し，炭化して応用する研究も進めており，それについても少し触れたい。