自動車エンジンの動向：燃料電池車

摘要

近年、地球温暖化の原因とされる温室効果ガス、特にCO{sub}2の削減が叫ばれている。 自動車会社として、持続可能なモビリティ社会の発展に貢献するため、環境対応技術の開発をあらゆる角度から強力に推進し、実効性のある技術を商品として投入していく義務がある。図1に示すように、自動車から排出されるCO{sub}2を削減する技術は、中長期的なロードマップに基づき市場に投入され続ける必要が有る。 短期的にはエンジン搭載車の効率を究極まで向上させ燃費の確実な向上を推進し、中長期的には、ハイブリッド車やプラグイン·ハイブリッド車、燃料電池車（以下FCV）や電気自動車の市場への導入が必要である。ここで注目すべきことは、石油枯渇問題のみからではなく、CO{sub}2削減のために従来の化石燃料依存型から燃料の多様化への移行が進み、それに対応すべき種々のパワーソースが導入される可能性が高いということである。すなわち、今後の材料開発を含む技術開発も多岐に渡ることが予想される。 本稿では、将来パワープラントの一つとして期待されているFCV開発の日産自動車での取り組みと、材料面からみた課題に関して簡単に述べる。