6.オンライン加工熱処理により強度と加工性を両立したHISTORY鋼管

摘要

環境問題の深刻化に伴い、自動車の軽量化がますます求められており、部品を中空化できる鋼管特に高強度鋼管のニーズが高くなっている。 しかし、鋼が高強度化するに従って、加工性が低下したり、特殊元素の添加によりリサイクル性が低下する等の問題があり、高強度鋼管の自動車部品への適用は容易ではなく、これらの問題を解決した高強度、高加工性鋼管の開発が待望されていた。 川崎製鉄㈱は、次世代電縫鋼管製造技術としての「HISTORY（High Speed Tube Welding and Optimum Reducing Technology）プロセス」を開発し、従来実現が紺とされてきた高強度、高加工性を両立させた「HISTORY鋼管」の製造に成功した。 ここでは、HISTORY鋼管の基本的な特長と、それを可能にした温間縮径圧延における新メタラジーについて紹介する。