SSRモードSの動態情報の取得機能の評価実験

摘要

SSR（二次監視レーダ）モードSは、監視性能を向上するとともに、データリンク機能を持つ航空管制用レーダである。モードSデータリンクを用いたアプリケーションとしては、欧州を中心に航空機の動態情報の取得技術（DAPs，Downlink Aircraft Parameters）の検討が進められてきた．DAPsにより、地上において選択高度、対地速度、対気速度などの航空機情報の取得が可能となり、航空管制官の状況認識の向上や衝突検出アルゴリズムの精度の向上などが期待されている。欧州における義務化や新型航空機の導入などにより、我が国の空域においても、DAPs搭載機が増加している．電子航法研究所では、我が国における動態情報の利用に備え、動態情報の取得機能を有するSSRモードSを開発し、機能や性能などの検証を開始した．本稿では、当所で実施した動態情報の取得実験について述べる。