地中レーダによる浅い地表面下の埋設物の識別

摘要

地雷探査用センサとして地中レーダが注目されている．しかし，地中レーダ探知器はプラスチック製地雷でも探知可能である反面，地表面反射波や地中の小石や砲弾片からのクラッタめ影響を受けるため，地雷と地雷以外の物体の識別が非常に難しい．このため，地雷探査用地中レーダには，地雷と地雷以外の物体を高い精度で識別するための識別能力が要求される．この問題に対して，筆者らはレーダ応答波形から識別すべき地雷の特徴を直接抽出し，パターン認識の手法を用いたターゲットの識別を行っている．本報告では，プラスチック地雷のようた誘導体で構成された厚みのあるターゲットの上面と底面で反射されたパルス間隔（遅れ時間）を識別の特徴とした場合の識別性能について検討する．粗い地表面下の浅い位置に埋設された2種類の形状の類似した物体について，テンテカルロシミュレーションにより識別性能を評価し，この特徴の有効性について検討する．