騒音の長距離伝搬

摘要

屋外を騒音が伝搬する場合，その過程で多種多様な要因が影響を及ぼすため，受音点における騒音レベルは大きく変動し，それを的確に予測することは非常に困難である。 騒音伝搬に影響を及ぼす要因については従来から数多くの研究が実施され，得られた結果は実際の騒音低減対策のために有効に活用されてきた。しかし，特に大気条件などの動的な要因を中心に未解決の部分も残され，加えて騒音場に対する社会の捉え方も変化するため，常に新しい技術や関連する研究動向を継続的に調査しておく必要がある。以上の観点から，当工学会·研究部会が2003年に発行した技術レポート27号は，騒音伝搬にかかる最近の研究動向を把握する上で非常に有効である。