ネットワーク技術講座：第6回 ネットワーク標準化1－ANSI/ASHRAE規格BACnetによるBACSネットワーク

摘要

従来はビルオートメーションシステム(BAS)と言われていたが，2003年11月のBACnetプロトコルのISO化(ISO16484-5)により，同じくISO16484-2により，BACS（Building Automation and Control System：ビル自動管理制御システム）と定義された．建物の大規模化，インターネットを中核としたIT関連技術応用の躍進的発展，サービス機能の拡充，マルチベンダー化とオープン化に伴い，システムの対象とする設備と機器も多岐，広域にわたり，BACSは従来のビル中央監視制御装置から機能とシステム，サービス内容が高度に統合化されたシステムになっている．また，BACSは，BEMS (Building and Energy Management System)の機能およびビルの建築設備機器のライフサイクルマネジメント(LCM)のための有効なツールをも含めた高度で必須のITインフラ設備になっている．図1に代表的なBACSの構成例を示す．BACSの主な動向は下記の通りである．(1)ネットワークのオープン化；(2)オープンなPC環境の活用；(3)自律分散技術の導入による信頼性の確保；(4)オープンプロトコルの活用；(5)セルチベンダー化への対応；(6) EMSやコミッショニングなどの各種のサービスツールとしての活用；(7)グローバル化，国際規格の適用。