規格策定における機能性化の仕組み－配管減肉事象の現象と規格体系

摘要

2005年8月に相次いで発生した原子力·火力などの発電用設備の配管系の減肉による破断事故を契機に、日本機械学会では配管減肉によるこのような事故の発生が起きないように、発電用設備に用いられる配管の減肉状態を管理する規格の制定を目指し、活動を行ってきた。特に美浜原子力発電所3号機2次系配管破損事故では、多くの方が犠牲となったことは誠に残念なことであり、犠牲となられた方々のご冥福を改めて祈りたい。この事故は、先の1986年12月に発生した米国Surry発電所2号機二次系給水系統の炭素鋼配管の大規模破断事故での犠牲に続くものであり、再びこのような事故を起こさないように、私たち技術者は、最善の努力をしていかなければならない。 事故の主要な要因と考えられるのは主にFAC (Flow Accelerated Corrosion)やエロージョンンなどにより生じる配管の肉厚の減肉事象によるもので、これにより配管の耐圧性能が低下し破断にいたったと考えられる。