成熟社会に描けぬ売り場販売員の役割と存在意義：小売業における販売コミュニケーションと評価システム

摘要

本稿の目的は「売り場を面白く、元気で、自主性に満ちたところにするために、小売業は社員·販売員の何に着目し、社員の行動·業績をどう明快に評価するべきか」を示すことである。このテーマを一言でいうと、販売場面で、販売員は顧客との「コミュニケーション」をうまくとるにはどんなことを心がIJるべきかということの明確化である。このコミュニケーション能力自体が、そもそも何者なのかが今なお研究テーマになっているくらいだから、販売現場では、日常業務でありながらこれらの実態を曖昧なままにし、個人の裁量に任されるということになっている。その結果、現場では、なぜあの人と比べて自分の評価が低いのかなどの疑問や不満が解消されないままにきている。このことで、職場の風通しが悪いままに士気が上がらない場合もしばしばみられる。