防災、災害復旧：油流出災害に関する対応技術と資機材－機械的回収法を中心に

摘要

大規模か由流出災害（油濁事故）は、世界的に見ても頻度は数年に1回であり、わが国でも1997年に発生した「ナホトカ号」事故以来、全国的に広く関心を集めるような油濁事故は発生していない。 しかしながら小規模な事故は頻発しており、また頻度は少ないとはいえ、大規模な油濁事故がいったん発生すれば被害は広範かつ甚大なものとなる。 ナホトカ号事故は、通常わが国に中東から原油を運ぶ大型タンカーに比べれば10分の1程度の小型（2ガトン弱）の老朽船が沈没したに過ぎないが、被害は日本海沿岸の秋田県から島根県まで約1,000kmにわたり、最終的な被害額は261億円にも達しているし、欧州などでは複数の国に被害を与えた事例も多く見られる。