福祉用具とパワーシステム？その4：車いす用緩衝器付キヤスター「ポルテ」

摘要

フルードパワーの福祉機器への応用例として、今回は油圧技術を利用した車いす用緩衝器付キャスターの開発について紹介することにする。 近年、障害を持ち車いすで生活する人の社会参加が積極的に行われるようになり、車いすで外出する人が増加するようになった。 屋外道路では一見フラットに見えても小さな凹凸があり、そのような路面を走行することによって生じる振動は、車いす利用者にとって、車いすの乗り心地の悪さを感じさせるばかりか、身体疲労の原因ともなり、「外出したい」という意欲を損なわせる一因ともなりかねない。 そこで、車いすの乗り心地を向上し、車いす·に快適さをもたらす一助として、車いす用緩衝器付キャスターの開発に取り組んだ。 開発はカヤバ工業株式会社が行い、その臨床評価に横浜市総合リハビリテーションセンターが協力した。 商品化された緩衝器付キャスター「ポルテ」は、日進医療器株式会社により、これを標準装備した介護保険レンタル向け車いすとして製品開発され、販売されている。