大規模境界要素法解析における分散並列FMMの通信最適化

摘要

Fast Multipole Method（FMM）を用いた境界要素法解析の高速化は音響解析，生体分子，電磁界解析，Euler方程式やStokes方程式による流体解析，地質学や地震学の分野で用いられている．これらの境界要素法解析を用いて単一ノードのメモリに収まらないような大規模な計算を行う場合，Message Passing Interface（MPI）などを用いた分散並列実装を行う必要がある．このような分散並列の境界要素法においては，FMMの分散並列化の部分に帝も多くの通信が発生するため，ここがボトルネックとなる．FMM自体の分散並列実装は多く存在する．Bedorf らは複数のGPU上で動作するBarnes-Hut型の手法を実装した．木構造の構築時にHilbert曲線を用いて3次元Euclid空間における局在性を1次元のメモリ空間に写像することで領域分割を実現している．