プライバシーに配慮したアプリケーションログ出力の設計

摘要

アプリケーションが出力するログは，運用およびセキュリティの上で重要なものであり，一般にログの取得は要件にもなっている．ログに秘密情報が含まれる場合は，漏洩することによって悪用されるリスクがあり，また個人情報が含まれる場合には，漏洩した際に，当該本人のプライバシーを侵害するリスクがある．よって，ログ出力の指針として，ログに出力する個人情報は必要最小限とすべきであり，出力する情報については，プライバシーへの配慮という観点から，プライバシーリスクを低減する措置をとることが望ましい．本発表では，ログに出力する項目のプライバシーへの影響度を評価して，出力する情報を限定することにより，プライバシーリスクを低減する指針を提案するとともに，現在国会で審議されている個人情報保護法改正案における「匿名加工情報」との関連について考察を述べる．